ごちそうさま/逃げるなよ、追いかけたくなるだろ
実写バリケード
潮と鉄の味がした。
目の前の女は、信じられないという表情でこちらを見上げている。その目には恐怖や戸惑いなどの色が含まれていて、組織回路全体が歓喜で震えた。
人間のように有機物を食する必要はないが味覚機能が備わっている。口内組織で女の肌に触れれば、美味とはかけ離れたものだが、その匂いは中毒のように記憶媒体にこびりつく。
女は弾けたように逃げる。この俺から逃げられると思っているだろうか、なんて頭が弱く、可愛いのだろう。
すぐに追いかけるには勿体無い。その逃げ纏う背が見えなくなってから、追うことにしよう。
その背中が消えるまで、あと少し。畳む
SS置き場 Xに投下してる習作SS置き場です
2024年1月28日(日) 10:49:58
あなたが嫉妬してしまった時の彼の反応
覚醒 ミラージュ
さっきから、ノアのはなしばっかり。
声にしまいと必死に喉に溜めていた言葉をついに言ってしまう。ああ、言っちゃった。と見上げればミラージュは青色に輝くオプティックをキュルキュルとさせていた。
「……それ、もしかして嫉妬してんの?」
「……面倒くさい女とか思ってるでしょ」
ああやだやだ、嫉妬なんてしちゃって。自己嫌悪で胸をムカムカさせているのとは対照的にミラージュはニンマリと笑ってる。
「……何?」
「心配するなって、ノアはダチだけど、俺はダーリン一筋だからさ」
……とミラージュはウインクをして言う。なんだか機嫌が良さそうなのは気のせいだろうか。畳む
覚醒 ミラージュ
さっきから、ノアのはなしばっかり。
声にしまいと必死に喉に溜めていた言葉をついに言ってしまう。ああ、言っちゃった。と見上げればミラージュは青色に輝くオプティックをキュルキュルとさせていた。
「……それ、もしかして嫉妬してんの?」
「……面倒くさい女とか思ってるでしょ」
ああやだやだ、嫉妬なんてしちゃって。自己嫌悪で胸をムカムカさせているのとは対照的にミラージュはニンマリと笑ってる。
「……何?」
「心配するなって、ノアはダチだけど、俺はダーリン一筋だからさ」
……とミラージュはウインクをして言う。なんだか機嫌が良さそうなのは気のせいだろうか。畳む
2024年1月28日(日) 10:49:23
幽霊/1+1=1
G1リジェ
最近、私は幽霊に取り憑かれているらしい。何かの気配を感じて、そちらを見ても何もいないし、ふとした時に物音や足音が聞こえることもある。でも、誰もいない。
これは幽霊に間違いない。でも、幽霊は私に何か悪さをする様子もなく、ただ私を見ているだけだ。ここ最近はこの姿の見えない幽霊になんだか愛着が湧いてきた。
「おやすみ、幽霊さん」
眠る前、自分の部屋の宙にそう呟けば、ガシャンと聞き覚えのある音が暗がりから聞こえた。
その音は不思議なことに、金属の軋む音に似ている。畳む
G1リジェ
最近、私は幽霊に取り憑かれているらしい。何かの気配を感じて、そちらを見ても何もいないし、ふとした時に物音や足音が聞こえることもある。でも、誰もいない。
これは幽霊に間違いない。でも、幽霊は私に何か悪さをする様子もなく、ただ私を見ているだけだ。ここ最近はこの姿の見えない幽霊になんだか愛着が湧いてきた。
「おやすみ、幽霊さん」
眠る前、自分の部屋の宙にそう呟けば、ガシャンと聞き覚えのある音が暗がりから聞こえた。
その音は不思議なことに、金属の軋む音に似ている。畳む
2023年11月5日(日) 13:34:07
街灯/唯一の、嫌い。
G1マイスター
ストリートの地下鉄二番ホーム出口前の街灯。そこが定番の解散場所だった。そこにつけば、マイスターとの楽しいデートはおしまい。デートと思っているのは私だけ。
「今日はありがとう、楽しかった」
「こちらこそ、久しぶりにリフレッシュできたよ」
マイスターは優しくそう言って、ドアを開けてくれる。マイスターから降りて、手を振って地下鉄の階段を下る。ふと、思い立って来た階段を登ってもう一度街灯の下を見た。
すでにマイスターはいなかった。忙しい合間を縫って私に会ってくれているのだから、それは仕方ない。分かっているけれど苦い気持ちになる。
大好きな人だけど、そういうところは嫌い。全部は嫌いになることはないけど。畳む
G1マイスター
ストリートの地下鉄二番ホーム出口前の街灯。そこが定番の解散場所だった。そこにつけば、マイスターとの楽しいデートはおしまい。デートと思っているのは私だけ。
「今日はありがとう、楽しかった」
「こちらこそ、久しぶりにリフレッシュできたよ」
マイスターは優しくそう言って、ドアを開けてくれる。マイスターから降りて、手を振って地下鉄の階段を下る。ふと、思い立って来た階段を登ってもう一度街灯の下を見た。
すでにマイスターはいなかった。忙しい合間を縫って私に会ってくれているのだから、それは仕方ない。分かっているけれど苦い気持ちになる。
大好きな人だけど、そういうところは嫌い。全部は嫌いになることはないけど。畳む
2023年11月5日(日) 13:33:24
プライド/それ以上は許さない
G1スタースクリーム
ただの人間だ。人質でしかない。なのになぜこいつを見ていると腹が立つのだ。こちらを見る目は揶揄うように意地の悪く目が細く、口元は弧を描いて笑う。
お前に見られると不愉快だ。お前を見るのが不愉快だ。そう言うとやつはさらに笑みを深くさせる。
「スタースクリーム、よく私を見てますね。それって」
やめろ、とやつの細い首に手をかける。それ以上言葉にすることは許さない。畳む
G1スタースクリーム
ただの人間だ。人質でしかない。なのになぜこいつを見ていると腹が立つのだ。こちらを見る目は揶揄うように意地の悪く目が細く、口元は弧を描いて笑う。
お前に見られると不愉快だ。お前を見るのが不愉快だ。そう言うとやつはさらに笑みを深くさせる。
「スタースクリーム、よく私を見てますね。それって」
やめろ、とやつの細い首に手をかける。それ以上言葉にすることは許さない。畳む
2023年11月5日(日) 13:32:27
嘘だよ/貴方の心臓が欲しい
G1アイアンハイド
アイアンハイドの心臓が欲しい、と言葉にしたらぎょっとした表情をしてこちらを振り返った。
「なんて、嘘だよ」
「全く、笑えない冗談だ。心臓なんて欲しがるなんて、どうかしちまったのかと」
正確に言うと、おれに心臓はないけどな。なんて、アイアンハイドが笑う。
ほんと、どうかしてるよね。畳む
G1アイアンハイド
アイアンハイドの心臓が欲しい、と言葉にしたらぎょっとした表情をしてこちらを振り返った。
「なんて、嘘だよ」
「全く、笑えない冗談だ。心臓なんて欲しがるなんて、どうかしちまったのかと」
正確に言うと、おれに心臓はないけどな。なんて、アイアンハイドが笑う。
ほんと、どうかしてるよね。畳む
2023年11月5日(日) 13:31:56
もしもし/ただの友達は、こんなこと、しない
G1ストリーク
その場所に収まっているのが落ち着かなくて身じろぎするたびに、ストリークの腕が私の腰に巻きついていることを実感してさらに居心地が悪くなる。悪い、というより恥ずかしい。ストリークの中にすっぽりと収まるように座る。背後ではストリークが機嫌よくしている。時折、彼の指が私の頬や顎に触れる。その触れ方が何というか、優しすぎてそわそわする。
「もしもし、ストリークさん? ……この体勢恥ずかしいんですけど」
「ええ、そうか? 俺たち友達だろ? なら恥ずかしがることないさ、なぁ?」
そうだろ? と念押しするようにストリークは私の顔を覗き込んで頬を触れた。友達はそんないやらしい触り方するだろうか。畳む
G1ストリーク
その場所に収まっているのが落ち着かなくて身じろぎするたびに、ストリークの腕が私の腰に巻きついていることを実感してさらに居心地が悪くなる。悪い、というより恥ずかしい。ストリークの中にすっぽりと収まるように座る。背後ではストリークが機嫌よくしている。時折、彼の指が私の頬や顎に触れる。その触れ方が何というか、優しすぎてそわそわする。
「もしもし、ストリークさん? ……この体勢恥ずかしいんですけど」
「ええ、そうか? 俺たち友達だろ? なら恥ずかしがることないさ、なぁ?」
そうだろ? と念押しするようにストリークは私の顔を覗き込んで頬を触れた。友達はそんないやらしい触り方するだろうか。畳む
2023年11月5日(日) 13:31:05
見下ろす/幸せを、(と祈るだけならば)
G1プロール
彼女は随分と体が小さい。彼女の頭ばかり見ていて、目線が合わさることは滅多にない。目が合わないことをいいことに、姿を盗み見る。彼女はよく笑い、はしゃぎ、話すために声を震わせる。それが決して自分に向けたものではなくても、そうせずにはいられない。
彼女の髪が揺れて、二つの目がこちらを見上げた。その瞬間、バチリと体の回路がショートしたような感覚がする。
「プロール? どうかしましたか?」
「いや、気にしないでくれ。何でもないんだ」
そう、何でもないのだ。これは何でもないと、自分に言い聞かせる。畳む
G1プロール
彼女は随分と体が小さい。彼女の頭ばかり見ていて、目線が合わさることは滅多にない。目が合わないことをいいことに、姿を盗み見る。彼女はよく笑い、はしゃぎ、話すために声を震わせる。それが決して自分に向けたものではなくても、そうせずにはいられない。
彼女の髪が揺れて、二つの目がこちらを見上げた。その瞬間、バチリと体の回路がショートしたような感覚がする。
「プロール? どうかしましたか?」
「いや、気にしないでくれ。何でもないんだ」
そう、何でもないのだ。これは何でもないと、自分に言い聞かせる。畳む
2023年11月5日(日) 13:28:54
私が宝石になったら
primeラチェット
「ラチェット、いいものあげる」
ころんと手のひらに乗せられたのは、小さな小さな貝だった。しかし、知っている貝の素材ではない。滑らかな光沢のある美しい石だ。
「これは?」
「オパールって言って、骨や貝が長い時間を経てそうやって宝石になるの。もしかしたら人間もそうなるかもしれないなって思ったら面白いでしょう?」
すぐに言葉が出なかった。縁起でもないことを、と言いたかったが、彼女はなぜか微笑んでいた。なぜ、そんなにも幸せそうに笑うのだ。
「私が死んだら、オパールになるかもしれないね。そうしたら、その石をラチェットにあげる」
私の中のスパークが締め付けられるような心地がした。彼女が死んだ後、自分のものになるという事に強く引き寄せられる思いがした。畳む
primeラチェット
「ラチェット、いいものあげる」
ころんと手のひらに乗せられたのは、小さな小さな貝だった。しかし、知っている貝の素材ではない。滑らかな光沢のある美しい石だ。
「これは?」
「オパールって言って、骨や貝が長い時間を経てそうやって宝石になるの。もしかしたら人間もそうなるかもしれないなって思ったら面白いでしょう?」
すぐに言葉が出なかった。縁起でもないことを、と言いたかったが、彼女はなぜか微笑んでいた。なぜ、そんなにも幸せそうに笑うのだ。
「私が死んだら、オパールになるかもしれないね。そうしたら、その石をラチェットにあげる」
私の中のスパークが締め付けられるような心地がした。彼女が死んだ後、自分のものになるという事に強く引き寄せられる思いがした。畳む
2023年11月5日(日) 13:28:14
溜息/全部全部、君のせい
覚醒ミラージュ
溢れそうな気持ちが空気になって、口から吐き出される。それをミラージュに目ざとく見られてしまった。
「どうしたの、そんなため息ついて。幸せが逃げるぜ?」
「どうもしないよ」
無愛想に答えても、ミラージュは機嫌がいい。理由は私がここにいるからだと理由が分かる。ミラージュは私に好意を示してくれる。未だ、その気持ちに答えることはできないでいる。その中途半端な彼への想いが原因で、心が乱れる。
ミラージュと同じ気持ちを彼に告げたらこの乱れは消えてしまうだろうか。畳む
覚醒ミラージュ
溢れそうな気持ちが空気になって、口から吐き出される。それをミラージュに目ざとく見られてしまった。
「どうしたの、そんなため息ついて。幸せが逃げるぜ?」
「どうもしないよ」
無愛想に答えても、ミラージュは機嫌がいい。理由は私がここにいるからだと理由が分かる。ミラージュは私に好意を示してくれる。未だ、その気持ちに答えることはできないでいる。その中途半端な彼への想いが原因で、心が乱れる。
ミラージュと同じ気持ちを彼に告げたらこの乱れは消えてしまうだろうか。畳む
2023年11月5日(日) 13:27:09